「暮れの元気なご挨拶~♪」でも、お歳暮ってどうして送るの?

季節のこと
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CMソングが頭に浮かぶ、年末におなじみの「お歳暮」。

誰にどんなものを送るか悩むのが楽しい人、面倒な人、お歳暮は送らない。という人。いろいろではないでしょうか。

また、お勤めの方であれば、企業間でのお歳暮のやり取りを控えているところも多いでしょうから、送らない感覚が当たり前という人も結構いるかもしれないですね。

現在のお歳暮は、年の瀬に、その年の厚情を感謝する意味を込めて贈るギフトの事。

でもその起源は少し意味合いが違うようなので調べてみました。

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お歳暮の起源はご先祖様への供物だった!

そもそもお歳暮にあたる年末の贈答品は、お正月にご先祖様の霊や歳神様にお供えする供物を指していました。

供物は、歳神様やご先祖様へのお神酒の肴でもあることから、食品であることが基本です。

本家に住んでいる人であれば直接ご先祖様の霊前に、塩鮭やするめ、カズノコ、タラの干物などをお供えしていたそうです。

この時、嫁に行き本家に住んでない娘や、分家して別の場所に住んでいる家族・親戚などは、正月に間に合うように、年の瀬(大晦日)になると本家に供え物を届けに行っていました。

その風習は室町時代に公家を中心に始まったといわれているんだとか。

そして実はこのやり取りは、婚家と実家のコミュニケーションも円滑にする効果がありました。

そのうちに、その婚姻を取り計らってくれた仲人さんの家にも感謝の意を込めて、供え物を届けるようになります。

このあたりから、供物の伝達から「贈答品」の性質を持ち始めますが、それでもまだ供物として送っていたようです。

さらには、本家の助けになってくれた方にも、と送る範囲が広がっていきます。

年の瀬の事を「歳暮」という事から、この供物を届ける一連の行為をそのままお歳暮と呼ぶようになります。

江戸時代になると、武家や商人などが年末に締めを兼ねたあいさつ回りをするようになり、その習慣とも融合し、広く「お世話になった方にお礼を込めて贈り物をする」という今の形態に近いスタイルになっていったようです。

近代になって、「お世話になった方に」という意味以外にも「これからお世話になりたい」という相手に贈り物をする、ちょっと悪習めいた使い方もされるようになります。

いわゆる贈賄はいつでもどこでもいつの時代でもあったことではありますが、その常套手段としてお歳暮の活用が定着した形ですね。

これについては、現在は企業間ではお歳暮の授受は控えるという風習も根付いてきていますが、純粋にその年のお礼としては今でも送る会社がありますね。ラインの引きどころがむつかしい問題でもあり、総務や営業のお仕事をされている方の悩みのタネという事もあるのではないでしょうか。

ちなみに、お歳暮といえば対語のように「お中元」が浮かびますが、これも起源は同じようにお供え物の授受でした。

「中元」という名称は、古代中国で信仰されていた道教の三元に基づく呼び名ですが、ちょうど同じ時期に日本では「盂蘭盆会」があったことから、お盆の時期に送るということで融合・定着したようです。

お歳暮を贈る時期は?マナーは?どんなものを送ればいい?

さて、お歳暮の起源を眺めてみたところで、誰に何を送ればいいの?という悩みが消えるわけでもないですね(笑)。

早速、具体的なお歳暮のマナーを見ていきましょう!

いつ贈るのか。

贈る時期についてです。

これは、12月に入ってからクリスマス前くらいまでに先方に届くように手配するのがいいとされています。

もし、ご年配の方や、歳時記に詳しい方に贈るのであれば、もう少しこだわって、12月13日~20日ごろに届くようにするとなおベストです。

12月13日とは煤払いの日で、いわゆる「暮れの大掃除」のこと。

暦の上では、この日に大掃除を済ませ、家や神棚、仏壇がきれいになったとなってから届けるのがいいといわれているからです。

もし、この時期に間に合わず、年をまたいでしまう場合は「お年賀」として送るようにしましょう。

ちなみにお年賀であれば松の内(関西なら7日まで、関東なら15日まで。ほかにも地域によって少し違いがあるようです)に届くように送ります。

それよりもさらに遅れてしまう場合は「寒中見舞い」(注:目上の人に贈る場合は「寒中御伺」)として送りますが、この場合は節分(2月3日)までに届くように手配しましょう。

ちなみに、あまりないケースですが、節分、つまり立春を超えてしまう場合は「余寒見舞い」というそうです。

何を贈るのか。

お歳暮の起源から考えると食品をと考えるのが自然な流れでもあり、現在でも食品を送るのが一般的です。

一昔前には定番だった、新巻鮭。今はこれを送る人はさすがに減っているのかもしれませんが、これこそ、江戸時代からずっと受け継がれてきた伝統なんですね。

今では広く「一年間のご厚情に感謝を込めて」送るものなので、相手のお好みを知っていたらその品を選ぶというのもありだと思います。

先方の好みがわからないという場合は、日持ちする食品から選ぶのが無難でしょう。

先方のご家族の人数や年代など、わかることはなるべく品選びの際に考慮したいところです。

例えばお一人暮らしの方に、サラダ油詰め合わせ1年分なんて送ったらちょっと嫌がられそうですよね。

相手の情報が全くない場合は、トレンドに合わせたり、カタログギフトで先方に選んでもらうというのもありかもしれません。

また、お歳暮を贈る時期というのは年末ですので、先方のご家族が旅行や里帰りなどで不在になることも想像されます。

このことから、生鮮食料品のような、もらったらすぐに食べきらないとならないものなどは一般的に避けたほうがいいでしょう。

ただし、気軽に話をする間柄で、事前に在宅状況を確認したうえで送る等であればこの限りではありません。

感謝の気持ちを伝えたいのですから、一番選びたいものは、相手に喜んでもらえるもの。

余談ですが、うちの親戚関連では、毎年恒例のイベントとして、お中元とお歳暮の時期になると、みんなで集合してデパートへ繰り出します。

予算を事前に相談して決めておいて、欲しいものをお互いリクエストして送りあうのです。

そのまま食事に行き、お互いの近況報告や、亭主の愚痴などで盛り上がっているとかいないとか。おおこわ。

一方で、贈り物(お歳暮、お中元に限らず)に関しては、避けたほうがいいタブーアイテムもいくつかありますので、よくチェックしてから選ぶようにしたいですね。

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誰に贈るのか。

「お歳暮って誰に送ればいいの?」こう考える場面直面したときは、「お世話になったのか?」を基準に考えてみましょう。

例えば結婚して、親戚の顔ぶれがガラッと変わったりしたら、身近な人ほどお世話になるケースが多いかと思います。

また、晴れて社会人になったということで、両親に贈り始めるという人もあるかもしれません。

正直なところ、正解のない問題ではありますが、お歳暮やお中元の特徴の一つとして、

「毎年贈り続けること」

があります。

つまり、今年一年お世話になり、来年もまたお世話になる方なのか、という関係の永続性が判断のカギになってきます。

このため、家族、親戚などが優先順位の上にあがってくることになります。

その次に、職場の上司(お歳暮を贈る対象は、「お世話になった方」=同等または目上の方)、取引先などを候補に挙げる方もあるのではないでしょうか。

さらには、習い事に通っているのであればその先生。自分の子供がお世話になっている方(注:ちなみに、公立の学校の先生に贈答品を贈ることは禁止されていますので対象外です)。

という範囲で考えるのが一般的です。

次に、相手の事情を考えましょう。

例えば家族や親戚であれば、そういった年中行事や儀礼を重視するのか嫌がるのか、どっちでもいいのか。という好みの問題があります。

特に結婚した相手のご両親などはこれから末永くお世話になる方ですが、そういうことを重視するタイプなのかはわからないことも多いですよね。

配偶者に聞いてみたりできればいいですが、わからない場合は事前に挨拶状を出すなどしてみるのもいいかもしれません。

また、職場の上司や取引先などになると、企業コンプライアンスの観点から自粛や禁止をしているところも増えています。

ただ、企業の場合は、一度送ってみて、もし先方がそう言った儀礼を奨励していない場合は連絡してもらえることも多いです。

なので判断に迷ったらまずは出してみてもいいですし、取引先等であれば「失礼でなければ」と尋ねてみるのはいかがでしょうか。

ちなみに私は通常は前述した親戚の集まり(ちなみに「お歳暮合戦」と呼ばれている・笑)以外ではお歳暮は全く送りません。

通常は、としたのは、いくつかの例外があるからです。

一つは、その年に、本当にものすごくお世話になった方があった場合。

もう一つは、その年に何かしらの特別な理由でギフトを頂いた場合のお返しです。

お誕生日プレゼントをもらったのであれば、相手のお誕生日で返すからいいのですが、そういうルーティンとは関係ないところでギフトを頂く機会があったときには、お返しの気持ちを込めてお歳暮を贈ったりしています。

ちょっとお歳暮の原則とはかけ離れた使い方ですけどね。

この時は、挨拶状を同封して、単年だけどお歳暮させてもらいました。という内容のお礼の言葉を添えています。

基本として守りたいのは、お歳暮を贈るのは、自分より目上の方にすることです。(同等以上という説もあります)

例えば後輩などから特別なギフトがありお返ししたい場合などは、お歳暮ではなく、お礼のギフトとして手配するべきなのでその点は気を付けたいですね。

まとめ

長くなってしまいましたが、お歳暮の原則について改めて見つめてみました。

今では必ずしも送ることが推奨とは言えないところもあるでしょうが、例えばいつも飲みに行く友達同士なんかでも、軽くお歳暮の真似事プレゼントを忘年会でやってみる、なんてことをしてみると、コミュニケーションが図れて楽しそうでもありますよね。

相手との合意があれば、ある程度の逸脱はありだと思いますので、いろいろなタイプのお歳暮があってもいいのだと思います。

ただ、忘れてはいけないのは、品物に添えるのは、その年1年間の「感謝の心」。

それさえ肝に命じておけば、今ならではの新スタイルお歳暮であっても、全然いいのだと思います。