だんだん肌寒さを感じる季節になってきましたね。
もう少し寒くなってくれば、エアコンの設定温度も上がるし、空気も乾いてくるし、お肌の乾燥が一層気になる季節ですね。
この季節になると、保湿重視の効果をうたったコスメが店頭に並びます。
パッケージも温かみを感じさせるデザインで、甘い香り・濃厚なテクスチャーを思わせる広告やディスプレイは、どれも試してみたくなって、なかなかその場を離れられなくなりますよね。
今日はコスメに、特に「保湿成分」として含まれている「セラミド」についてみていきたいと思います。
肌の乾燥はなぜよくないの?「保湿」の必要性とは?
人の皮膚には、紫外線・ほこり・ウイルスその他、環境からの刺激を体内に取り込まないようにする役割があります。
そんな皮膚の一番外側は、皮脂膜で覆われた「角質層」と呼ばれる層で、角質細胞とそれらの間を埋める細胞間脂質とで構成されています。
細胞間脂質は水分を含む構造をしていて、細胞間を隙間なく埋めています。
この仕組みによって異物の侵入を防いでいます。
気温・湿度などの外部刺激は、角質層の水分を蒸発させようとしますが、皮脂膜によって阻まれています。
ただし、熱いお湯が触れたり、強い洗浄力の洗剤・強い摩擦で、必要以上に皮脂が洗い流されてしまうことで、角質層の水分が蒸発しやすくなります。
それによって、角質細胞間脂質が抱えている水分が足りなくなり、本来ないはずの隙間が生まれます。
そうなると、外部刺激を受けやすくなり、外気からトラブルの元が侵入しやすくなります。例えば、ニキビや炎症(肌荒れ)なんかがそうですね。
また、保湿を怠り、角質層の水分が必要量に満たない状態が続くと、正常な肌の環境の乱れにもつながります。
ハリ・ツヤがなくなってきたり、くすみが目立ってきたりするのはこれが大きな要因です。
特別な効果を持つコスメより、水分のほうが、皮膚にとっては必要なのですね。
「保湿」にもいろいろ?その働きは成分によっても違うの?
保湿成分はたくさんありますが、その仕組みによって大きく3種類に分けられます。
- 水分を成分同士の間に挟み込む→セラミド・スフィンゴ・大豆レシチンなど
- 水分をそれ自体に抱え込む→ヒアルロン酸・コラーゲンなど
- 水分を引き寄せる→天然保湿因子(NМF)・グリセリンなど
コスメの成分として、特に角質層の保湿効果が高いとされている成分の仕組みは、一つ目の「挟み込む」タイプです。
二つ目の「それ自体に抱え込む」タイプは、角質層より奥の皮下組織の構成要素ですが、コスメとして角質の上からそこまで浸透するのは難しいとされています。
三つ目の「引き寄せ」タイプは、水分と結びつくことはできますが、それ自体に保持能力はないため、「湿度を保つ」という役割としては弱いものです。
保湿成分ならセラミドがいい!その理由とは?
「保湿成分」として一押しされている「セラミド」という成分の名前はよく耳にしますよね。
先ほど紹介した角質細胞間脂質の半分近くを占める成分です。
「脂質=油」→水分を通さないことで乾燥を防ぐ
という働きかなと見当がつけられますが、セラミドは普通の油分とは違う構造で水分の蒸発を防いでいます。
セラミドは、油分と油分の間に水分を挟み込める仕組みを作ることのできる物質です。
その層を「ラメラ構造」といい、水分が逃げられるスキを生み出しません。
保湿成分として一押しされるのは、特有のこの構造による水分保持能力のためです。
さらに、油分と水分の層が折り重なってできる構造は、水に溶ける物質も油に溶ける物質も、通過が困難になります。
皮膚を刺激する物質は、入り込もうとしてもこの機能で大きく弱体化します。
角質細胞の隙間を、この「ラメラ構造」で満たすことが、皮膚の持つバリア機能の一つといえるでしょう。
セラミドを補うことで、保湿以上に肌力にプラスになることがわかりますね。
まとめ
保湿成分としてよく知られている「セラミド」は、デイリーコスメの選択肢として、外せないと考えている方も多いのではないでしょうか。
忙しい毎日、ストレスフルな生活は人間の持つ防御機能も弱めると聞きます。
お肌は、心身のダメージの大きさを、割とわかりやすく反映してくれますよね。
ニキビだったり、くすみだったり。
そんな時は、セラミドで、バリア機能を補ってみてはどうでしょうか。
メイクがノると、気持ちも潤ってきそうですよね。